DIY HOW TO INFORMATION DIYハウツー情報

カンナの使用方法と研ぎ方

投稿日:2015/9/22

工具
Q:カンナの使用方法と研ぎ方について

 

A:1枚または2枚の刃と木製の台から成り、刃は材料に対して一定の角度になるよう台に仕込まれます。裏刃(裏金)は逆目防止、台は定規の役目をします。

 

カンナ台は普通、十分に乾燥された樫(かし)のほか、楓(かえで)、楢(なら)、けやきも使われ、最近はプラスチックもあります。
カンナ身は軟鉄に刃の部分だけ鋼を添え、鍛え合わせて焼き入れしてあります。硬度はHRC63~65度が標準で、素人用にはHRC60度前後が適当です。
カンナの仕込勾配(押さえと下端の角度)は約46度。

 

刃の調整

カンナやノミは、“すぐ使い”という表示のあるもの以外は、刃を調整してから使ってください。

 

①刃の抜き差し(刃の調整の仕方)

 

刃を抜くときは、台頭の左右の角を交互に、刃と平行にたたく。台頭の中央をたたくと、台が割れることがあります。
また、抜けた刃が飛び出さないように、台を持つ手の人指し指で、刃を押さえるようにします。
差し込むときは、まずカンナ刃を差し込み、頭をたたいて打ち込んでから裏金を打ち込みます。

 

②カンナ刃と裏金

カンナ刃の裏に凸凹があるときは、平らに研ぎます。次にカンナ刃と裏金を刃裏どうし合わせ、ガタつきのあるときは、裏金の耳を金床の上でたたいて調整します。

 

 

刃表の研ぎ方

 

切れ刃を砥面にぴったりつけ、前後に研ぎます。刃の先端だけを砥面につけない様に注意して研いでください。
刃が欠けた場合は荒砥石から、刃が欠けていなければ中砥石から、切れ味が落ちた場合は仕上砥石で研いでください。

※砥石は充分、水に浸してから使用してください。

 

刃裏の研ぎ方

刃裏はカンナ刃の長さの半分を砥石に当てて刃返りをとります。
(仕上砥石で取ってください。)
指先で触れ、刃返りがなくなれば研ぎ終わりです。

 

 

Q:カンナの種類について

 

A:カンナには、次の様なものがあります。用途に応じたカンナを使用してください。

 

平カンナ

<一枚カンナ>

【サイズ】カンナ身の幅50・60・65・70・80mm
【用 途】板や角材などの表面を平滑に削る。軟材の木口削り、檜柱、天井材の仕上げ削り
【備 考】必要とする仕上げの度合いによって上仕上カンナ、中仕上カンナ、粗仕上カンナがある。

<二枚カンナ(含鉋)>

【サイズ】カンナ身の幅50・60・65・70・80mm
【用 途】板や角材などの表面を平滑に削る。粗削りから仕上げ削りまで
【備 考】硬材用に逆刃鉋もある。

<長台カンナ>

【サイズ】台の長さ360mm
【用 途】特に正確な平面削り
【備 考】一枚刃と二枚刃がある。

<台直しカンナ(立鉋)>

【サイズ】台の長さ180~210mm
【用 途】カンナ台の下端調整(台直し)紫壇、黒壇、銘木などの硬木削り
【備 考】カンナ刃が下端に対して直角、または100度くらいに仕込まれている。

 

際カンナ

<際カンナ>

【用 途】入隅の際削り。刻柱(きざみばしら)の仕上げ。胴付の木口、木端、蟻ホゾの際削り
【備 考】右勝手、左勝手がある、一枚刃と二枚刃がある

 

溝カンナ

<大工しゃくりカンナ>

【サイズ】カンナ身の幅15、18、21mm
【用 途】鴨居・敷居の溝削り。大工用
【備 考】一枚刃と二枚刃がある

<大阪しゃくりカンナ>

【サイズ】カンナ身の幅30mm
【用 途】鴨居・敷居の溝削り。大工用
【備 考】下端の段欠きによって溝の深さが一定になる

<櫛形しゃくりカンナ>

【サイズ】カンナ身の幅6~24mm
【用 途】家具・建具などの小細工、溝削り、組手の削り仕上げ
【備 考】一般に片手で使用する、刃口が斜めのものとまっすぐのものがある

<蟻しゃくりカンナ>

【サイズ】刃幅15・21mm
【用 途】蟻形の部分の削り仕上げ。凹形の部分用と凸形の部分用とに分かれる
【備 考】蟻決カンナと蟻掛決カンナとの2種類ある

<相しゃくりカンナ>

【サイズ】刃幅18mm
【用 途】相欠部分の削り仕上げ、床板・腰羽目の相欠削り
【備 考】定規がついたものもある

<基市しゃくりカンナ>

【サイズ】刃幅9〜21mm
【用 途】溝削り。大工、造作用
【備 考】定規板がついている

 

脇カンナ

<脇取りカンナ>

【サイズ】刃幅15~21mm
【用 途】溝の側面(脇)削り、蟻溝の入隅、蟻柄の脇削り
【備 考】下端に多少幅がある、右勝手、左勝手がある

<ひふくらカンナ>

【サイズ】刃幅15~21mm
【用 途】溝の側面(脇)削り、蟻溝の入隅、蟻柄の脇削り
【備 考】下端が尖っている、右勝手、左勝手がある

 

面取りカンナ

<面取りカンナ>

【サイズ】刃幅15~21mm
【用 途】角材・板材の角の面取り
【備 考】切面、銀杏面、丸面など面の種類に合わせていろいろある幅が調節できるものもある

 

丸カンナ

<丸カンナ>

【サイズ】刃幅6~50mm
【用 途】凹または凸の湾曲面削り
【備 考】外丸カンナと内丸カンナとに分かれている

 

反台カンナ

<反台カンナ>

【サイズ】刃幅 極小から43mmくらいまで
【用 途】大きな湾曲面部分の削り仕上げ
【備 考】下端の湾曲の程度はいろいろある

<南京カンナ>

【サイズ】刃幅15~36mm
【用 途】家具・工作物の彫刻部、椅子の曲線部などの複雑な曲面の削り仕上げ
【備 考】西洋型のものもあり、木製と金属製がある

 

西洋カンナ

<プレイン>

【サイズ】刃幅25~63mm
【用 途】平カンナと構造・用途は同じ
【備 考】前方に押して削る、一枚刃と二枚刃がある

 

溝カンナ

<機械しゃくりカンナ>

【サイズ】刃幅1.5~15mm
【用 途】幅の狭い溝削り、建具・家具の溝削り
【備 考】調節のできる定規がついている

 

平カンナ

<ロータリーカンナ>

【用 途】板や角材の平面削り
【備 考】カンナ台はABS樹脂製、下端の調整は不要、刃の調節はネジ式

 

 


<一枚カンナ>

【サイズ】50、55、60mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】木口削り、横削り、面取りなど
【特 徴】削り抵抗は少ないが、二枚刃カンナと違い縦削りでは逆目がおきやすい。

 

<二枚カンナ>

【サイズ】50、55、60、65、70mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】板や角材などの表面を平滑に削る
【特 徴】用途によって荒カンナ、中仕上げカンナ、仕上げカンナがある。二枚刃の裏金は逆目止めの機能をする。

<使用方法および注意点>
カンナ刃と裏金の合わせを調整し、体全体をカンナに乗せるような感じで作業を行う。
削り始めから終わりまで同じ調子で削る。
また、カンナは台作りが完全でないと十分な切れ味が出ないので注意する。

 

 

<長台カンナ>

【サイズ】刃幅65、70mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】特に正確な平面に仕上げたい場合
【特 徴】平カンナの一種で、名前のとおりカンナ台が長い(360mm)。一枚刃と二枚刃がある。

 

 

<立カンナ(台直しカンナ)>

【サイズ】36、42、48mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】カンナ台の下幅調整(台直し)。紫壇、銘木などの硬木削り
【特 徴】カンナ刃が下端に対して直角または100度くらいに仕込まれている。

 

 

<際カンナ>

【サイズ】36、42、48mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】木材の直角の入隅の際削り、刻柱の仕上げ、胴ふちの木口、木端蟻ホゾの際削り
【特 徴】右勝手、左勝手がある。また、一枚刃と二枚刃があり、定規付爪付もある

<使用方法および注意点>
平カンナと同じ要領で使用する。
主に片手で作業するため、定規付のものが使用しやすく、定規に沿って引くと寸法どおりに削ることができる。

 

 

<合せ底取>

【サイズ】15~18、21
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】障子、ふすまの敷居の溝など広くて浅い溝の仕上げ用
【特 徴】黒丹張、一枚作里、普通二枚作里(包堀なし)がある。

 

 

<大阪作里>

【サイズ】18mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】敷居の溝削り
【特 徴】カンナ台の下端に段がついているので、溝の深さが一定にできる。

 

<面取カンナ類>

 

 

<角面(かくめん)カンナ>

【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】角材、板材の角の面取り用
【特 徴】幅が調節できる。

 

 

 

<猿面(さるめん)カンナ>

【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】角材、板材の角の面取り用
【特 徴】幅が調節できる。

 

 

 

<銀杏面(ぎんなんめん)カンナ>

【サイズ】3~9mm
【材 質】刃物工具鋼とカシ
【用 途】角材や板の面取り用
【特 徴】角の部分を繰り返し削る。

 

 

 

<坊主面カンナ>

【サイズ】3~9mm
【材 質】刃物工具鋼とカシ
【用 途】角材や板の面取り用

 

 

 

<丸カンナ>

【サイズ】刃幅6~48mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】凹面、凸面の湾曲面削り
【特 徴】外丸カンナと内丸カンナがある。

 

 

 

<反台カンナ>

【サイズ】30、36、42、48mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】大きな湾曲部分の削り仕上げ用
【特 徴】手カンナの下端を船底のように反らしたカンナで、表面を凹曲面に削るとき使用する。

 

 

 

 

<南京カンナ>

【サイズ】刃幅24、30、36mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】凸凹面の削り、いすの曲線部などの複雑な曲面の削り仕上げ
【特 徴】細長い棒状の台の中央に平カンナを仕込み、下幅に丸みをつけたカンナ。

 

 

 

<くし型作里>

【サイズ】6~12、15~18、21、24mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】敷居直しなど
【特 徴】台が櫛の形状をしている。二枚刃や押金付がある。

 

 

 

<蟻しゃくりカンナ(片木作里)>

【サイズ】15、21mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】蟻型削り
【特 徴】凹型部と凸型部と分けて使用

 

 

 

<相しゃくりカンナ>

【サイズ】18mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】相欠部分の削り

 

 

 

<基市(もといち)作里>

【サイズ】15、18、19.5、21mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】障子、ふすまなどのような浅い溝の溝削り、大工造作用
【特 徴】二枚作里に定規が付属したようなもので、素人でも正確に溝を掘ることができる。

 

 

 

<二枚脇取>

【サイズ】15、18、21mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】溝の側面削り、蟻溝の入隅、蟻板の脇削り
【特 徴】右脇取、左脇取がある。また、二枚脇横穴、二枚脇上穴式、二枚脇黒丹口木入がある。

 

 

 

<ヒフクラ>

【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】溝の側面削り、蟻溝の入隅、蟻ホゾの脇削り
【特 徴】右、左がある

 

 

 

<西洋カンナ>

【サイズ】刃幅25~63mm
【材 質】刃物工具鋼、軟鉄(ボディー)
【用 途】平カンナと同じ
【特 徴】前方に押して木材を削る

 

 

 

<機械作里>

【サイズ】刃幅1.5~15mm
【材 質】刃物工具鋼、カシ
【用 途】幅の狭い溝削り、建具・家具の溝削り
【特 徴】幅の狭い溝削りで、調整のできる定規がついている。

<使用方法および注意点>
溝を削る位置に刃を合わせるように定規で調整し、平カンナと同じ要領で使用する。

 

 

 

<ロータリーカンナ(替刃式)>

【サイズ】刃幅48mm
【材 質】刃物工具鋼、プラスチック台(ABS樹脂)
【用 途】平カンナと同じで板や角材の平面削り
【特 徴】カンナ台はABS樹脂製、下端はステンレス製。下端は調整不要で、刃の出し入れは調整ネジで行う。カンナ刃は替刃式で、デコラ用の刃もある。